その言葉

 

人間はあるひとことに影響を受けてその後の人生に大きな変化を
きたすことがある。たったのひとことが大きな影響を与えるので
凄いことを言われたかと言うとそうでもなく、なんでもない一言で
あるから不思議である。

中学生の頃、腸チフスの予防接種があってそのとき
体調が悪くて受けないことになった。心配で若い医者に
予防接種を受けなくても大丈夫かとたずねたことがある。

君一人が受けなくても他の人が受けているので腸チフスは
流行することもなく、あなたが罹る心配もないといわれた。
風邪でも流行するから風邪になるので誰も周りがならないのなら
自分にうつることはないと理解した。

それから他人と違うことをやっていても気にならなくなってきた。
さらに自分ひとりがやらなくてもみんながやればそれで物は進んで行くと
サボりの口実にもなった。このあたりから自分は自分の考えで
選択しても大丈夫と言う自信になったからこの言葉大きい。

小学生のとき学級新聞つくりでがんばったことがある。
出来た新聞にこの度選ばれたアメリカ大統領が
○○代目と書いたがこれが間違っていた。私の単純なミスだが
それをもとに先生がお話をされた。一流の新聞に書いてあると
言っても信用してはいけない、新聞に書かれたことで
日本国民はますます戦争へと向かっていったのだと言われた。
これ以後、あらゆることを素直に聞いて、根底から疑うという
私の生き方の指針になった。

最も影響を受けたのは仏教の考え方である。
この話は長くなるのでしないが、 仏教には成る程とおもわれるもの
が多い。中学生のとき溝にいる蛙に石を投げつけては
殺して遊んでいたが、ある級友が近づいてきて
「○○君、蛙にも命があるのだから無益の殺生はいけないよ」
と言った。その彼ほど若くから仏教を信じていなかったが、
今では別の観点から仏教を信じていると言えるだろう。

次回に続く

 

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