修学旅行





私のモナリザである。なぜ微笑しているか未だに不明である。
そして現在の彼女の不幸を思うとき私に何か出来なかったか、なぜそうなったのか自問する。そして親の理不尽さに負けたが、不思議な縁とさだめに時代の流れと因果を超えた時間の残酷さを思う。


相手の親も自分の親も憎んだものだが、私も歳をとってボケた母親の介護をしていると若いときに抱いた憎しみも消えている。現在の住居から彼女が勤務していた日赤病院が見える。誰も彼女がそこににいると言ってくれなかったばかりか、彼女が私の家に来たことも教えてもらえなかった。そのとき祖母は私の居所を彼女は知りたいであろうと母に言ったそうだが、母は無視したのである。


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