4大泳法以外の楽しい泳ぎ

ホームに帰る

水と遊ぶのが嫌いな子供はいない。海水浴に幼児を連れて行くと波と戯れ、
水に漬かってわーいと歓声を上げる。水をかけあって遊んでもそんなに嫌がらない。
裸で太陽にあたり、水の癒し効果を楽しむ、嫌いなはずがない。

音楽の嫌いな子もいないと思う。音楽を聴く、歌う、楽器を下手なりに弾く、どれをとっても
子供は楽しげである。好きな音楽を聴きながら歩く若者を見ていると音楽は好きなんだろう
と思う。

ところが学校で水泳を習い、音楽を習うととたんに水泳嫌い、音楽嫌いがたくさん生まれる。
ほとんどの科目で楽しいと思ってはいけない雰囲気があり、努力と自己抑圧こそが学校で
習う科目を出来るようになると考えられている。

水泳もプールの途中で立つのはいけない、速く泳げ、この泳ぎ方以外は間違っていると
教えられるものだから出来ないものは嫌いになる。努力が足りないと言う先生も実は
努力嫌いで心から努力した経験はない。こういう先生に習っても楽しい水泳なんか覚える
はずもない。

楽しい水泳は
(1) 自己流でよい 自己流でもだんだん良くなって効率の良い泳ぎになる
(2) 苦しい泳ぎ方をマスターする必要はない 苦労してつかんでも競技大会に出ないから
(3) 速く泳ぐ必要がない 速い人が優秀とするのはあくまで競技だから
(4) プールで許されるのならフィン、マスク、スノーケルは使ってもよい 使うほうが早く覚えられる
(5) 自分のペースで疲れず、長く泳げればよい 距離ではなく長時間泳げること

この泳ぎ方の目指すところは深さが何百メートルあっても怖がらず、ゆったりとした気持ちで
広い海の真ん中でも泳げることである。泳ぐと言うより浮かんでいるでも良い。クロールの練習で
バタ足、面かぶりクロール(息継ぎをしないでクロール)を先に教えて水泳とは息をしないで
もがきながら必死に進むものと思わせる教育では楽しい水泳は出来ません。この点は「川口智久著:
水泳らくらく入門、岩波ジュニア新書」に詳しく載っています。

4大泳法は競技で行われるクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライである。この泳ぎ方を広い海で
行うとその実用性のなさにすぐ気づかされる。クロールは進行方向が正面に見えず、、時々方向を
確認しなければならない。顔を水に漬ける競泳の平泳ぎはすぐに疲れてくるし、背泳ぎは波を
かぶると鼻から水が入ってくる。バタフライは速いが長時間の泳ぎには適さない。クロールで
かっこよく見えるのはあくまでプールだからと思う。広い海では速く見えないし、浜近くでは人の
迷惑にもなる。


これに比べてフィンとスノーケルとマスクをかけて泳げば速いし、息継ぎも楽だし、外を見ることも
自由だし、もぐれるし、楽しいことこの上ない。スキーを道具を使わずにやれと言われたら足だけでは
滑れない。テニスをラケットを使わずにといわれたら面白くない。水泳だけ道具を使わずにと言うのは
根拠がない。200メートル泳げることがダイビングの条件だったが最近フィンとスノーケルとマスクを
付けて300メートルでも良いことになった。水泳の進歩である。それに道具をつけたほうがバランスを
とりやすく、足だけが沈んだりしない。今ではフィンを付けた競泳もヨーロッパでは盛んに行われて
いる。100メートルをimmense(水中のまま泳ぐ)では33秒ぐらいで泳ぐのに対してクロールの世界記録
は48秒近くである。モノフィン無呼吸は50メートル14秒08である。水泳もどこまで速く泳げるかが
わからないくらい速い。(高木英樹著:人はどこまで速く泳げるのか、岩波書店に詳しい。)


ここではかえる泳ぎ、顔出し平泳ぎ、くらげ泳ぎ、蝶々泳ぎを取り上げ、泳ぎ方を書くつもりである。
水泳の本に4大泳法以外が取り上げていないのでぜひ読んでいただきたい。

inserted by FC2 system