私の人生模索

特殊な始まり

人生は誰でも特殊な始まりをしている。同じ環境と同じような親と同じような兄弟の間に
生まれるというようなことは考えにくい。非常に似通っていてもまったく同じということはありえない。
時代もあるし、地域も、周りの人々も、相違を探すと無限に浮かび上がってくる。

だから私の特殊な始まりというタイトルは深い意味を持っていない。個々の人はすべて違う環境で
生まれるので誕生した瞬間から人間は特殊なユニークな人生を送ることとなる。

確率微分方程式という最近経済現象の解明や経営の戦略でもてはやされている数学がある。
そのような微分方程式には初期値があり、その値から以後の軌跡が計算される。
途中で決断したこと、偶然に支配された出来事などの人生で起こったことが
確率的に影響されて人生の軌跡が決定される。


生まれた瞬間の初期値が同じでも
人生はたった一本の軌跡であってたとえ過去に戻ろうとも
同じ軌跡の人生ではありえない。

毎日の生活もいくら同じような日が続いても一日毎にそれぞれ違っている。
食べたもの、天候、会った人、鏡に見えた自分の顔、すれ違った人や景色、
その日のニュース、聞いた音、など小さいことに気が付けば
毎日はあくる暇のないほど日々これが新しい。植物は毎日生長しているし、
自分も毎日歳をとっている。だからこそ人の人生はそれぞれユニークである。

私の場合、3歳のときに父が戦死していることと父親の顔を知らないこと、
母が再婚しないで祖母と母と私の3人家族で大きくなっていたことと、
県庁所在地である小さな都市で生まれたことと、戦前と戦後を分ける
時期に生まれたことが人生の初期値である。

続く

 

 

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