会う人は縁がある
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仏教と言うのは理屈が多くて哲学的といわれる。四苦八苦というのも良くできて
いて、死も苦なら生も苦である。もちろん八苦の中には多くの人が味わう
求不得苦という必死で求めても手に入らないことで起こる苦もある。
健康であれば苦がないようだが、五陰盛苦と言って視覚、認識などの心理作用が
盛んなるゆえに湧き起こる苦悩もある。これは感性が鋭いと他人の苦しみが
聞こえてくるので苦しむというのである。また愛する人と別れなくては
ならない苦(愛別離苦)があれば逆に会いたくない人に会わねばならない苦
(怨憎会苦)もある。生きていくうえでこの人間関係の苦は避けられない。
恨みに思う嫌な人に会う苦も多く、嫌な人から誘いをかけられたときに
感じることと思う。
人生も長くなると出会った人は多くなり、いろいろな種類の人間とも
交流して生きている。すばらしい人や素敵で好きな人もたくさんいたが、
逆に憎らしい人も嫌な奴もたくさんいたような気がする。あのようなことが
無ければ良かったのにという悔悟の気持ちは誰にもあると思われる。
だが思い出の中にすべてが入り組んでくると良い人も悪い人も
みんな自分に必要だったと言う気もしてくる。憎んだ奴も自分を成長さす
ためには必要だったと考えられるようになると人生が楽しく、
変なところで悩まなくても良いと思われる。生きていくうえで良い人ばかり
とは限らない。自分の都合の良いことばかり与える人だけではない。
むしろ自分の進む方向を邪魔する人や気の合わない嫌な人のほうが多い。
それでも嫌な人も人生に必要であり、自分の人生を実り多いものにして
くれる人達の一人と考えて、正面から向き合ってまじめに付き合って
ほしいと思う。